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research
多次元時系列データを、俯瞰と縮約により効率的に可視化する手法について、研究しています。
【Colorscore: クラシック楽曲における音楽構造の可視化】
デモムービー(avi形式)
音楽情報可視化の目的のひとつとして、
1曲の内部構成を可視化する、という目的が考えられます。
このような可視化手法は例えば、作曲・編曲の支援、器楽や指揮の練習支援、
初学者への教育支援、などに有用であると考えられます。
私達は、大編成楽曲の総譜(スコア)の内容を可視化・要約するシステム Colorscore
を提案しています。
Colorscoreでは、楽曲を構成するいくつかの楽譜パターンを抽出し、
これらを色分け表示することで、楽曲の内部構成を可視化します。
それとともにColorscoreでは、可視化結果を横方向および縦方向に圧縮表示することで、
楽曲の要約表示を実現します。
上の図は、チャイコフスキーのオーケストラ楽曲「花のワルツ」の一曲全体を可視化した結果で、
縦方向がパート(楽器)、横方向が時間(小節)、色が各フレーズの役割(主旋律、伴奏など)となっています。
【システムログにおける時間的傾向の可視化】
デモムービー(avi形式)
クレジットカードの決済情報や、Webページのアクセスログといったシステムログは、時系列情報を持つ多次元データであると
いえます。
このような情報を分析する目的として、ログ全体の傾向および、不正やエラーとされるログの傾向を観察することや、キャンペーンや
更新に適したタイミングを検討することが考えられます。
私達は、多次元かつ大量のシステムログの効率的な分析を支援するVisual Analytics Toolを提案しています。
提案手法では、多次元データのうち、1つの属性の時間的傾向をヒートマップで俯瞰表示するとともに、ソートによる縮約と、
クラスタリングによる縮約の2種類の縮約が適用可能となっています。
また、効率的な観察属性選択を支援するために、各属性の推薦度を
結果の有意性に応じて算出し、ボタン色の濃さで提示します。
上の図は、ユーザインタフェースと可視化結果の一例です。可視化結果では、横軸を時系列、縦軸を各属性値、色を集計値(暖色ほど大)として、ログの時間的傾向を可視化します。