Report Vol. 12

第12話:周辺の観光の話(1)

こんにちは。今回はピッツバーグの話題から離れますが、私が観光に出かけた場所について、個人的な感想を述べます。 皆さんの観光の役には立たないかもしれませんので、念のため。

★フィラディルフィア
フィラディルフィアは、ニューヨークとワシントンDCの中間くらいにある都市です。 ピッツバーグはフィラディルフィアの真西にあって、クルマで6時間くらいです。 ペンシルバニア州の東端の大都市がフィラディルフィアで、州の西端の地方都市がピッツバーグ、といったところです。

私は3月末に、ニューヨーク郊外の研究所にクルマで出張に行き、そのままニューヨークの中心街であるマンハッタンに観光で滞在し、 その後フィラディルフィアに滞在している友人に会う目的もあって1泊してきました。 アメリカ独立のときの政治的な記念建築物をいくつか見て、アメリカで6番目くらいに大きい美術館を見て、それくらいしか観光できませんでした。

前者は、アメリカが独立宣言をするときに使われた議会や裁判所などを眺めたり、そのときのシンボルとして造られた鐘を見たり、というものでした。 クラスで見学に来る小中学生が非常に多く、典型的な社会科見学コースという印象でした。 残念ながら、世界史の苦手な私は、アメリカ独立の経緯などよく覚えてないので、イマイチありがたみが感じられませんでした。

フィラディルフィア美術館は、西洋美術だけでなく東洋美術にも力を入れているようでした。 特に、この中に復刻された日本の茶室と庭園は気合が入ってました。 アメリカで見る日本文化の展示には、えっ?と思わせる怪しいものも多いのですが、ここの復刻は非常によくできていて、 日本人の私でも「よくつくったなぁ」と思わせるものでした。

フィラディルフィアというと、クリームチーズの商品名で聞いたことがある人も多いかと思いますが、この土地の名物もチーズを使った料理です。 とろけるチーズをたっぷり絡めた牛バラ肉のサンドイッチで、その名も「チーズステーキ」という料理です。油こいわりには日本人の口にも合う味でした。 日本のコンビニで採用したらウケそうな気もします。

★ナイアガラ
基本的にナイアガラは、滝が1個あるだけの観光地です。

その滝を展望台から眺めたり、タワーに登って見下ろしたり、ボートに乗って滝壷の真下に行って水しぶきをあびたり、 わざわざ人間が掘ったトンネルの覗き穴から水しぶきを眺めたり、あの手この手で四方八方から滝を眺めれるようになってます。 夜には7色のライトアップまでします。 (このライトアップは、個人的にはあまりいい趣味じゃないと思いますが)

ホントに同じ滝を見てるだけなんですが、どの角度から見ても迫力がありました。私も、まる1日かけて四方八方から滝を満喫しました。 ちなみに、金と時間のある人はヘリコプターに乗って滝を見下ろすこともできるそうですし、その映像だけ見られるシアターもあるそうです。 私は乗り物酔いしやすい人なので、ヘリコプターは眼中にありませんでしたが ... (ちなみに上記のボートにも船酔いしました。情けない。)

ナイアガラは、アメリカとカナダの国境にあって、四方八方からそれを眺めようと思ったらアメリカとカナダの両方に入国しなくてはなりません。 当然パスポートの携帯が必須です。 ちなみに私にとってカナダは、記念すべき(?)10カ国目の海外訪問です。

滝そのものもカナダ側から見るほうが迫力があることもあって、 カナダ側はホテルもレストランも土産屋も多数あり、立派なタワーが2つあり、最近ではカジノまでできて、とても盛り上がっています。 しかしアメリカ側は、ホテルもレストランも少なく、お世辞にも盛り上がっているとは言えません。 ナイアガラのアメリカ側はニューヨーク州に属するのですが、これが「ナイアガラ以外どこにも行く場所がない」というくらいマイナーな州に属していたら、 もうちょっと州ぐるみでナイアガラを盛り上げたりするのかなぁ?などと思ってしまいました。

★トロント
トロントはカナダで最も人口の多い都市で、ナイアガラからクルマで1時間半のところにあります。 カナダに入国してナイアガラに1泊したついでに、翌日行ってきました。 なにが目当てだったかというと、世界一高いタワー「CNタワー」です。展望台の高さは、なんと 440m。 横浜ランドマークタワーの1.5倍以上あります。いやホントに高かったです。足元の車が米粒のようでした。 しかも、展望台のフロアの一部がガラスになっているという悪趣味な演出まであります。ガラスごしには下界が見えます。 このガラスの上に足を踏み入れたまま震えている人もいたりして、なんだか初心者でにぎわうスケート場のような雰囲気でした。

「アメリカは人種のるつぼ」といいますが、ここトロントも負けてません。 公用語は英語のはずですが、看板には中国語やフランス語がならび、街を歩く人の会話にも中国語やフランス語がやたらに多いのです。 (ただし黒人や中南米人はピッツバーグより格段に少なかったですが。) インターネットで事前にチェックしたレストランに3時ごろ入ったところ、たまたまバータイムになっていて「オードブル盛り合わせ」 くらいしかランチになる食べ物がなかったのですが、これが非常に印象的でした。 カナダ名物のプライムリブステーキやロブスターが中華の春巻きになったり、イタリア料理風の野菜炒めに九州の高菜が入っていたり、 カナダのマスをフレンチのソースで和えたり、フレンチ(かなぁ?)のチーズをメキシコ料理風にしたり、 といった感じで、それこそ世界中の料理をかき集めたような盛り合わせで、しかもすべてが非常に美味しかったのです。 ひょっとしたら、これも上記のような多彩な民族性が生んだ味なのかな、と思いました。 実際にトロントは、世界中の味が楽しめる「食の宝庫」として売り出しているのだそうです。

では、今回はこのへんで。

 

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