Report Vol. 4

第4話:大学でトロンボーンを吹いてます

こんにちは。私が最も長く続けている「本業でないこと」といえば、 トロンボーンを吹くことなわけですが、ようやくピッツバーグでもトロンボーンを吹く機会を見つけました。

ここ数年間はバンドをやっていたので、ピッツバーグでもバンドに参加したいと思い、 出国前からポップスやジャズなどをキーワードにして、インターネットでアレコレ検索していたのですが、どうもいい情報が得られませんでした。そのため、楽器を吹く場所探しに時間がかかってました。

ここに来てわかったのですが、どうもピッツバーグは、圧倒的にクラシック音楽がポピュラー音楽より優勢な街なようで、大学に入ってくる音楽情報もクラシック音楽の情報のほうが圧倒的に多いです。

それでは、どこで楽器を吹き始めたかというと、近郊にあるデュケイン大学という大学の音楽学部が主催するトロンボーンアンサンブル Dequisne University Trombone Choir に参加することになりました。ちなみに Chori は「クワイヤー」と読みます。 大人数アンサンブルの意味らしいのですが、詳しい定義はわかりません。 とにかく、トロンボーンばっかり15人くらい集まったアンサンブルです。 しかも、アメリカの大学で2番目に古いという伝統のアンサンブルらしいです。 詳しくは http://www.duq.edu/music/ensembles.html 参照。

私の中学時代の知人が、ピッツバーグと同じペンシリバニア州のフィラディルフィアという都市にいるのですが、その人が私と同じ大学に日本人の知人がいて、 さらにその人の知人にデュケイン大学でトロンボーンを専攻している日本人がいる、という奇跡的なコネにより、私を紹介してもらうことになりました。

そのトロンボーンの日本人には、「サークルみたいなアンサンブルなんで、ぜひ気軽に来てください」と明るく誘われました。 へぇ、音楽学部にもそんなサークルがあるんだ。そんなら気軽に行けるかな。

.... と思って行ってみると、周囲はやたらに上手いプレイヤーばっかり。 そのときになって初めて、実はメンバーはほぼ全員が音大生で、しかも、大学の単位として認められてる本格的なアンサンブルの時間なんだとか。

うーん、どこがサークルやねん。私なんぞが、そんなところに飛び入りしていいのか!?

... いまでも、その点は疑問なのですが、とりあえず先週から2回は追い出されずに参加しております。

練習は90分。先週は担当の教授が指揮をしてました。今週は教授が来なかったので学生が指揮をしてました。 指揮や奏法はクラシック音楽流なのですが、曲目はほとんどポップス系(ビートルズとか)です。

楽譜を配られると即合奏です。「初めて見る」とか「聴いたことない曲だ」とか、そういうことは言ってられません。 たとえ知らない曲だろうと、目の前にある楽譜だけを頼りに合奏に追従しなくてはなりません。 飛び入りの私には、なかなか集中力のいる90分です。

さて感想ですが、十分な英語力のない私でも、指揮者の目指してること、両隣の演奏者の考えてることはシッカリと伝わってきます。 (ちなみに日本人は私を入れて2人だけです。)あー、音楽には言葉はいらないんだなー。 という、非常にありきたりなことを実感して、ちょっと嬉しくなってます。

あともうひとつ。凄まじく音が大きい(笑)。ホントにそんな音量で練習するのか!? 本番もそんな音量なの!?ってくらいデカイです。 おかげで私も気持ちよく大音量で吹いてるのですが、毎日きっちり練習している周囲の音大生と違って、私の場合は大音量=迷惑なのかもしれません(爆)。

ちなみに、「トロンボーンばっかり15人もいたら、ちょっとくらい下手でもバレないだろ!」とお思いのアナタ。それは違います。 トロンボーンだけで演奏をするってのは、けっこうシビアです。 音程や音色が違うのもバレやすいし、打楽器がいないからリズムがブレやすいし、高音楽器も低音楽器もいないから楽譜の音域が広くなるし。

おかげで、自分の楽器の実力のなさを痛感させられます。とほほ。 しかし、だからこそ、やりがいがある、とも言えるかと思います。すでにトロンボーンアンサンブルの魅力にとりつかれた私(←単純)。

それに、言葉も半分くらいしか通じず、周囲は専門家ばかり、という絶好(?)の環境で楽器が吹けるので、 せっかくだから少しは上手くなって帰国したいものです(言うは易し)。

... というわけで、奇跡的なコネによって私は楽器を吹く場所を見つけたわけですが、つい数日前に、もう1個奇跡的なコネを見つけました。

私と同じ大学の大学院生で、かつてクラシック音楽団体でホルンを吹いていて、いまはバンドをやっていて自主製作CD を出しているという、 まさに私と話題のあいそうな人をインターネットで見つけました。しかも、その人、私と同じアパートに住んでるんです。

同じアパートに住んでるわりには、まだメールでしか話してないんですが、近いうちにその人のバンドの練習スタジオに行くことになりそうです。 これも楽しみにしてます。

ではでは。

 

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