Report Vol. 9

第9話:ピッツバーグでクラシック音楽鑑賞

こんにちは。ここ数日で、当レポートに関して非常にたくさんのメールをいただきました。 特に「何年後になるかわからないけどアメリカに行く日まで保存しておきます」といってくれる方が多くて、ホントに嬉しく思ってます。 いただいたメール全部に返信してなくてすみません。 今後とも、感想や苦情などありましたら、よろしくお願いします。

さて、ここしばらく私は音楽鑑賞ラッシュだったのですが、今回はその中でも最も印象に残っている、 ピッツバーグ交響楽団について報告いたします。クラシック音楽に関心のない方、読み飛ばしてくださいませ。

私は美術鑑賞やクラシック音楽鑑賞が好きなのですが、この分野において欧米は、日本に比べてはるかに恵まれた環境を持っているような気がします。

ピッツバーグは人口40万人程度(私の育った埼玉県川口市や神奈川県相模原市のほうが多い!)の中規模な地方都市です。 この程度の規模の都市でありながら、市の中心部には交響楽団、オペラ、ミュージカルの専用ホールがズラリと建ち並んでます。

ピッツバーグ交響楽団のホームコンサートホールは、ハインツホールといいます。 たぶんハインツというのは、ケチャップをつくっている食品会社のハインツ(HEINZ)のことだと思います。 ハインツはピッツバーグ市内に大きな工場を持っているという縁があります。

客席数は2000くらいで、規模や設備だけで言ったら日本にもよくある規模のホールです。 しかし、その設計や装飾が圧巻です。まるで宮殿を思わせる優雅なものです。 大理石の階段に、キラキラした手すり、宝石のようなシャンデリア、豪華なじゅうたん。 なんだか観光旅行に来た気分になってしまいます。 それに、単に客席や通路が美しくつくられているだけでなく、欧米のホールは社交場を意識してつくられているので、 ロビーやコーヒールームも非常に美しくつくられています。 コンサート開始前や休憩時間には、正装した来場者があふれるほどロビーに出てきて談笑しています。 私もコンサートの日には、ピッツバーグにきて初めてネクタイを着用しました(笑)。

学生の芸術勉強に対するサポートも手厚く、大学の ID カードを見せると、ピッツバーグ交響楽団の学生当日券がわずか $12 で手に入ります。 もし、この交響楽団が日本に来たら、 S席の料金はきっと2万円やそこらになるのではないでしょうか。 そう考えるとこの特典は私にとって本当に素晴らしい特典です。 .... って、会社員の私がそんな恩恵に預かっていいのだろうか(爆)。

さて、ピッツバーグ交響楽団は世界でも有数のハイレベルな交響楽団ですが、 ここにシャルル・デュトワという超有名な指揮者が5年ぶりに来るということで、 私はピッツバーグ到着当初からこのイベントに注目してました。

デュトワはNHK交響楽団ひいきということで、私が高校生の頃からN響アワーにたびたび出演していました。 この人が指揮をするとN響がまるで別の楽団になってしまったように違う音が出るので、 私にとって高校生の頃から印象に残っている指揮者でした。 また、デュトワはモントリオール交響楽団で膨大な数のCDを出しているのですが、 他のCD大量生産型(?)楽団と比べてハズレがほとんどない(と私は思った)ので、 多忙でも丁寧な仕事をする指揮者という好印象をもっていました。

今回のコンサートの曲目は、

でした。

ドビュッシー「小組曲」は、私が大学1年のときに吹奏楽団で演奏した曲でもあり、また別の地元吹奏楽団で指揮をした曲でもあります。 プロコフィエフ「交響曲第5番」は、大学のときにすごく気に入ってて何度も繰り返し聴いていた、私にとって非常に印象深い曲です。

というわけで私は、わずか半年のピッツバーグ滞在期間中に、

という絶好のプログラムにめぐりあうことができたわけです。なんと幸運な私でしょう。

私はまず初日に聴きに行ったのですが、すごく感激したのと、 $12という激安価格ということもあって、 なんとデュトワの出演する3日間を全部(しかも3日とも同じ曲目)聴きに行ったのでした。

デュトワの指揮は、かなり軌道が大きいのに、あくまでも優美で、ちょっとキザで(笑)それでいて指示が詳細にわたっていて、 見ていて吸い込まれるような魅力があります。 私は学生時代に指揮法を読んだことがあるので、研究心も手伝って、ずーっと一心にデュトワを見ていました。 やっぱり指揮はデカイだけじゃだめです(一部の旧友に限り意味明瞭)。

演奏のほうは、上品で流れがあって、でも時々ガツンと頭を殴られるようなアタックがあって、メリハリに富んだものでした。 でもそれ以上に、非常にキラキラした美しいサウンドが印象に残ってます。 ピッツバーグ交響楽団のハイレベルな弦楽アンサンブルもさることながら、この楽団のためにチューンナップされたホールの設計も、 大きく功を奏しているのでしょう。こういうあたりに、欧米はうらやましい、と私は思ってしまうのです。

デュトワもかっこよかったのですが、バイオリン協奏曲のソロ奏者(若干24歳の新人)がむちゃくちゃハンサムで、 当日の人気をさらってました。かなり鍛えられているようで、 テクニックがホントに正確 ... って素人の私がプロの人にいうような評論じゃないですね。すみません。 ピッツバーグ交響楽団のコンサートでは、協奏曲の終了後にソロ奏者が1,2分の無伴奏曲を演奏するという、 一種の余興というかサービスが恒例になっているようで、この人はパガニーニの超絶技巧曲(超早弾き系)を演奏して客の度肝を抜いてました。 終了後は観客総立ちで大騒ぎでした。クラシックのコンサートというより、ロックバンドのギターソロの後のような盛り上がりでした。

しいてアラを探すなら、私の好みのサウンドと比較して中低音(チェロなど)が弱いのと、木管のコンビネーションが完璧じゃなかった、ということくらいでした。

今回のレポートは、このへんで締めくくります。次回は私の通っている大学についてレポートいたします。

 

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