Report Vol. 2

第2回:訪問先での研究の段取り

私こと伊藤貴之は、2018年8月1日から8月20日まで、バンクーバー(カナダ)の ブリティッシュコロンビア大学 への滞在出張に行かせていただいてます。
ブリティッシュコロンビア大学はバンクーバーの郊外にあって、中心街から12km程度、バスで40分くらいの場所にあります。

私は今回は大学のキャンパス内の短期滞在アパートに宿泊し、徒歩(15分)または自転車(5分)で研究室に通勤しています。 アパートはキャンパス内の3か所に点在しているのですが、バスターミナルとスーパーマーケットに近い便利な場所を選びました。

カナダに入国して翌朝、さっそく訪問先教員の Tamara Munzner 教授との面談がありました。たった1時間半の間に、事務的な作業を片付けて、研究テーマについて30分ほど情報交換し、 そして下図のような3日間のスケジュールをあっという間に立ててしまいました。 このスピード感こそ世界に通じる研究室という感があります。

何回かの面談を通して、私は今回、現地の大学院生の研究を拡張する役として共同研究に加わることになりました。 2008年のカリフォルニア滞在 および 2014年のシドニー滞在 では、 自分で新しいプロジェクトを起動して自分で論文を書いて…という形で研究を立ち上げてきましたが、 今回は期間が短いこともあり、それとは全く異なるスタイルで研究に取り組みます。 これはこれで自分にとって新しい経験になり、また帰国後の研究の新しい展開につながるものと期待しています。
一方でこの短い滞在期間の間に、他の研究者とも共同体制を作る方向で面談をすることになっています。 これも自分で研究を進めるための新しい展開になるのではと期待しています。

また滞在先の教授はとても趣味が多い方で、自転車やアウトドアを楽しむほかに、音楽や美術が好きで、グルメ情報や観光情報にも鋭く、非常に多彩な形で研究者人生を謳歌していらっしゃるように見えます。研究者業界には、人生を研究に捧げる研究者や、ある種の頂点にのぼり詰めることを目標に活きる研究者もいれば、ライフワークバランスの抜群な研究者もいます。今回の滞在を通して、また自分が残りの人生で目指すべき研究者像のひとつを見た気がします。

 

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