Report Vol. 2
第2回:国際会議から始まるシドニー生活
今回のシドニー出張の日程が8月6日からになった直接の理由は、私が勤務先大学で「英語サマープログラム」というオムニバス講義科目を8月5日に担当することになったから、というものでした。
一方で偶然なことに、私の研究分野に関係ある
VINCI (Visual Information Communication and Interaction)
という国際会議が、今年は8月6日からシドニーで開催ということになっていましたので、大学に通勤するより前に水曜日から金曜日までVINCIに参加しました。
下の写真は、学会会場(大学のキャンパス)の入り口、講演会場、私の研究室学生のポスターです。
この国際会議には私の研究室も2名参加し、研究成果を発表しました。また私自身は基調講演の座長(司会みたいなもの)を担当しました。 さらに、翌年(2015年)のVINCIは東京開催で、私が大会委員長 (General Chair) ということで、今回のVINCIの閉会式では東京をアピールするプレゼンを担当してまいりました。
私は日本開催の国際会議の運営に何度か関わったことがありますが、そのたびに 「日本に行く機会ができて嬉しい」という外国人がとても多い ということを感じます。 最近では学会を誘致することが都市の知名度上昇や経済活性化につながるという機運が各国で高まっており、日本国内でも特に地方都市が国内学会の誘致に力を注いでいますが、国際会議に関しても日本の誘致力をもっと高めるべきであるように感じます。
私も研究職に従事する一員として、単に研究や教育で成果を出すだけでなく、国際交流の一端につながる仕事をしていることを自覚して、外国人研究者に日本に来てもらう努力をしないといけない、ということを強く実感します。 学会そのものは国際交流としては非常に小規模なものかもしれませんが、日本で学会に参加してくれた海外の先生方がそれぞれの国で日本の印象をいろんな人に語ってくれれば、トータルで考えれば大きな意義のある国際交流になるかもしれない、という考え方もあるかと思います。
例えば私の場合、今年はIEEE Pacific Visualizationという国際会議で組織委員長 (Organizing Chair) を担当し、来年はVINCIで大会委員長を担当しますが、海外だと30代の人がこのような役を担う機会がたくさんあります。少なくとも理工系の学術業界において、日本の年功序列的な習慣はもっと壊してもいいかもしれない、と思います。
アメリカや中国の学術業界では、准教授から教授に昇進するまでに、学会の委員長クラスの仕事を歴任してハクをつけないといけない、というくらい競争が激しい事情も場所によってはあるのですよね…。
下の図はシドニーの中心街の図です。 私の宿泊先はシドニーの中心街の中でも最も大きいセントラル駅の近くです。この地域はホテルも飲食店も多く、また中華街などもあって夜も盛り上がっており、治安の面では比較的安心です。
宿泊先の北側にはサーキュラーキー、ダーリングハーバー、といったシドニーを代表する観光スポットがあります。サーキュラーキーまで2km、ダーリングハーバーまで1km、といったところです。
大学は宿泊先の南西2km弱の場所にあり、私の足で徒歩25分程度です。学会会場は地下鉄で北西に30分くらい移動した先にあるノースライドという地域でした。
滞在先はアパートタイプのホテルで、とても広々としています。 片隅には書斎らしきスペースもあり、私は普段はここで仕事をしています。
キッチンには食器(皿・グラス・マグカップ)と調理器具(鍋・フライパン・トースター・電子レンジ・包丁・その他各種小物)が揃っています。調味料や油と食材を買えば、すぐに自炊生活をスタートできます。
一般的に国立大学法人の出張は、安い宿に泊まろうと高い宿に泊まろうと、宿泊手当の額は一定です。 この写真を見て「そんなに高給な宿に泊まる必要あるのか」と思われるかもしれませんが、大学から支給される宿泊手当で足りない場合には自腹を切っているというだけのことです。
ちなみに、これらの写真からはわかりにくいかもしれませんが、この滞在型ホテル、間取りが非常に細長いです。
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